
本州最東端に車なしで行きたいけど、行き方が不安…



魹ヶ崎は山道らしいけど、装備が必要?
こうした不安を抱えて検索している、あなたのための記事です。
✅ 本記事の内容
- 車なしで本州最東端・魹ヶ崎に行けるのか
- 山道を安全に歩くための準備
- 車なし勢が絶対に知るべき 2つの注意点
✅ 本記事の信頼性
- 実際に 車なしで魹ヶ崎へ到達
- 深夜バス・電車・徒歩旅を30回以上も経験
- 国内と総合の「旅行業務取扱管理者資格」と「世界遺産検定2級」を取得済み
この記事を読むと、車なしでも迷わず・安全に・確実に本州最東端へ行けるルートと準備が全て分かります。
車なしで挑戦したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
本州最東端・魹ヶ崎(とどがさき)に車なしでいけるのか?
まず最初に、最大の疑問「車なしで本州最東端の魹ヶ崎に行けるのか?」について答えます。



結論は、車なしでも本州最東端・魹ヶ崎へ行けます。ただし “準備と時間管理が必須” です。
本州最東端・魹ヶ崎はどこにある?
本州最東端である魹ヶ崎は東北・岩手県の宮古市にあります。最寄り駅は、JRなら山田線の宮古駅、JR以外を含めると、三陸鉄道の津軽石(つがるいし)駅になります。
車なしで行くのが難しい4つの理由
- 駅からのバスの本数が少なく、行きは乗るバスを選べず、帰りは2本だけ。
- 車だと登山道入り口のキャンプ場まで行けるが、車なしだと、最寄りのバス停からキャンプ場まで約1.6km多く歩く。
- 帰りは最寄りのバス停から宮古駅に戻れない
- 代わりに魹ヶ崎灯台から約8km先の別のバス停まで歩いて未舗装の道を下山しないとならず、登山の向けの装備が必要
つまり、車なしで行く場合は、到着地のバス停から出発地のバス停まで、バスに間に合うように歩き続ける必要があるのです。
本州最東端・魹ヶ崎に東京から車なしで行く4つのステップ
ここからは東京駅を出発点に、車なしでの最短・最適な行き方を4ステップで解説します。
① 東京駅 → 宮古駅(岩手県宮古市)


車なしで宮古駅へ向かう方法は、夜行バス or 新幹線+山田線(orバス)の2択です。
夜行バスなら「前泊不要」ですが、 新幹線+山田線(orバス)は「前泊が必須」になります。
詳細は後述しますが、この差が発生するのは、日帰りで車なしの魹ヶ崎往復を実践するには、宮古駅朝8:30発のバスに乗る必要があるためです。
夜行バス(筆者が選択)
- 日中の移動を省略できるほか、翌6:30頃 宮古駅到着なので、8:30発のバスに乗車でき、到着当日に魹ヶ崎に向かえます。
- 東京駅八重洲口 21:35 発の「MEX宮古・盛岡」(岩手県北バスが運行)に乗車します。
宮古前泊前提で東北新幹線+山田線か106特急・急行バス
- 宮古駅8:30発のバスに間に合わないので、宮古駅周辺で前泊することが前提です。魹ヶ崎に行く前日は、盛岡や宮古で観光しましょう。
- 東京から盛岡まで東北新幹線で向かい、盛岡から宮古まではJR山田線、もしくは106特急・急行バスで1時間40分~2時間30分ほどかけて移動します。
- 夜行バスと比較して料金は高いですが、乗車時間は短く、快適です。
② 宮古駅 → 姉吉バス停(最寄りバス停)


魹ヶ崎の最寄りのバス停は「姉吉」(あねよし)です。姉吉へは、宮古駅始発のB32重茂・石浜線に乗って向かいます。
始発は宮古駅 8:30 発ですが、このバスに乗らないと、その日の内に帰れません。
宮古駅8:30発の次に姉吉に向かう次のバスは15:35発で、後半で説明する最終バスの時間までに戻ってこられないからです。
姉吉までは約70分。前半は進行方向左側に宮古湾を見つつ、後半は山道に入り、カーブが増えるため、酔いやすい人は酔い止めを推奨します。
途中、映画「すずめの戸締まり」の聖地とされる後ろ戸の近くを通過しますが、1本隣の通りを通過するため、直接見ることはできません。
③ 姉吉バス停 → 魹ヶ崎(灯台・最東端の碑)


姉吉バス停から魹ヶ崎までは約1時間20分かかります。
まず、バスに約70分乗車して姉吉バス停で降りると、すぐ分岐があり、上の写真にもある看板に従って左に曲がります。
曲がった後は、途中の姉吉キャンプ場まではアスファルトの下り坂です。キャンプ場までは約20分の歩きです。
姉吉キャンプ場にはお手洗いがあります。姉吉キャンプ場から魹ヶ崎までは、登山道は整備されています。ただ、アップダウンが激しいので、体力勝負です。
また天候が変わりやすく、海沿いで風もあり、熊などが出没するエリアなので、登山靴や熊鈴など、ハイキングの格好をして歩きましょう。
私は防水・防風のウェア、ハイキング用の靴に加え、熊鈴をつけて歩きました。


④本州最東端・魹ヶ崎に到着|灯台・景色


山道は大変ですが、1時間20分ほど森の中を歩き、ようやく抜けると白の灯台が姿を見せます。到着した時の達成感は大きいです。
魹ヶ崎は、180度遮るもののない太平洋の景色や火山活動によってできた岩場など、自然の雄大さを感じることができる場所です。
本州最東端の碑と撮影ポイント


「本州最東端の碑」がある岩場は、1億3千万年前頃(中生代白亜紀)に発生した火山活動によってできました。
海と併せて写真映えする絶景スポットですが、「本州最東端の碑」に到達するまでに、足をすくわれないよう注意してください。
碑の文字は、灯台守夫婦の生活を描いた映画「喜びも悲しみも幾歳月」のもとになった手記の作者で、魹ヶ崎灯台で過ごした灯台守の妻、田中キヨさんの筆です。
本州4端の中で魹ヶ崎は圧倒的に到達することが難しいので、この碑に到着した時の達成感や特別感は格別です。
ただ、車なし旅の場合は、まだまだ歩き行程の3分の1。駅に戻るまでは気が抜けないので、長居は禁物。
あと何分で出ようと決めたうえで、魹ヶ崎灯台の休憩所でゼリードリンクで栄養付けて、お手洗いに行き、この後の本格的な歩きに備えます。
魹ヶ崎灯台の見どころ


灯台含め無人化されていますが、整備は行き届いています。休憩所のほか、お手洗いもある貴重なスポットです。
崖に建っているので、帽子が飛ばないように手で押さえたくなるほど風が強く、自然の迫力を感じます。
海との距離は100mもないはずなのに、立っている場所に対して周囲の岩が高く、視界が遮られるせいで、海が思ったよりも遠く感じました。
もちろん岩場の先に遮るものはないので、水平線含め、広い太平洋を望むことができます。
休憩所には来訪者ノートや応急処置グッズのほか、大洗と苫小牧を結ぶフェリー「さんふらわあ」の通過予定に関する看板がありました。
車なし旅の場合、ちょうどタイミング的にフェリーが見える時間帯に灯台に着くことになりますが、今回は見ることができませんでした。


本州最東端・魹ヶ崎への道は “完全に登山”。安全対策が必須


ここまで、宮古駅から魹ヶ崎までの車なしで向かう流れを紹介しました。
改めて徒歩時間を紹介すると、行きの最寄りバス停の姉吉バス停から魹ヶ崎まで1時間20分かかります。
問題は帰り道で、詳細は後述しますが、バスのダイヤの関係で姉吉バス停に戻れず、行きのバスで通過した里(さと)バス停まで、約8km歩く必要があります。
魹ヶ崎から帰りの最寄りバス停の里バス停までは、15分ほどの休憩含め約2時間30分かかり、合計約4時間、約15kmの歩きになります。
姉吉バス停を降りて、キャンプ場に行く道への分岐点から、里バス停までの道は、みちのく潮風トレイルと呼ばれる、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐロングトレイルの構成区間です。
特にお金や事前申請は不要で、今回歩く区間はその中でも短めで、海沿いと山道が混ざった変化のあるルートです。
以下に、区間別に詳細と危険度を説明します。
序盤(姉吉バス停→姉吉キャンプ場):安全


序盤、姉吉バス停から姉吉キャンプ場までの約1.6kmは、アスファルトで舗装された下り坂です。道沿いには集落があり、住民の方がいらっしゃいます。
中盤前半(姉吉キャンプ場→魹ヶ崎):やや危険


姉吉キャンプ場から魹ヶ崎までの約4kmは、比較的幅広で、アップダウンがある舗装されていない登山道です。
途中、車で来られたであろう数人の観光客とすれ違います。
中盤後半(魹ヶ崎→山道が終わるまで):かなり危険


魹ヶ崎から里バス停方面に向かう約7kmの山道は、崖沿いの細道や岩場が中心で、足場が悪く、雨の前後は滑りやすく、一番危険度が高いです。
観光向きの道ではなく、筆者が歩いた時は、里バス停まで誰ともすれ違わなかったほど人がおらず、鹿や熊の気配が強いです。
また、電波が繋がらないエリア、迷いやすいエリアがあるので、GPSは必須です。
終盤(山道の終わり→里バス停):安全


魹ヶ崎から約7km、山道の区間が終わると、急に視界が開き、手前にアスファルトの道とトンネルがある、与奈浜(よなはま)と言う海岸に着きます。
ここから里バス停までは平坦なアスファルトの道になり、危険地帯を抜けられたと安心できます。
このトンネル(与奈トンネル)を歩いて通過すると、重茂地区の集落に入りますが、里バス停まではまだ1.5kmほど残っています。
次から、今回車なし旅をした経験をもとに、注意点を説明します。
登山アプリ(GPS)は“命綱”


みちのく潮風トレイルは 電波が届かない区間があります。加えて、案内がないエリアに順路がわかりにくいポイントがあります。
そこでスマートフォンのGPS機能を使うことで、
地図データを事前DL → オフラインで安全確保
が可能になります。必ずみちのく潮風トレイル 宮古市南部ルートの地図を事前DLしてください。
定期的に現在地を随時確認しながら歩くようにしてください。
筆者は実際に、目印(青リボン・杭) を確認しつつ、YAMAPで現在地・スピード・到着予想時刻 を何度もチェックしながら歩きました。
特に下山距離は長く、アップダウンで疲れやすいので、自分のペース管理が命に関わります。


アップダウンと山道の特徴
未舗装の道で、最初の1kmで100m以上登り、その後も登り下りを何度も繰り返します。


道標・迷いやすい場所
「みちのく潮風トレイル」の青リボンや杭を目印に、細い分岐もあるためGPSを併用しましょう。


熊・滑落・天候リスク
トレイルを歩くにあたり、以下のリスクがあるので、相応の準備が必要です。
- 熊をはじめとする動物との遭遇可能性が高いので、熊鈴必須
- 崖沿いの細道(かつ下り坂)があり、雨天ではさらに滑りやすい
- 電波が届かない場所あり
- 誰とも会わない可能性が高く、何かあっても助けがすぐに来ない可能性が高い


危険の中でも自然を楽しむ


みちのく潮風トレイルは、様々な大きさの浜や沢があり、そこまでの道は森の中や崖沿いを歩きます。
危険な部分はありますが、波音や葉がこすれる音を聴くのは心地よく、静寂の中を1人黙々と歩く経験はなかなかないので貴重でした。
全体を通して「怖さと美しさが同居する道」という印象でした。


本州最東端・魹ヶ崎へ車なしで行く持ち物
車なし×山道という条件では、準備が非常に大事です。
当日は、歩きに不要な翌日以降の着替えなどを、宿泊先もしくは宮古駅の駅舎にあるロッカーに置いていき、背負う荷物を軽くしておきましょう。
装備(絶対に必要)


- 登山靴 or 防水トレッキングシューズ
- レインウェア(防水、防風)
- 防寒具
- 熊鈴
- 手袋(グリップ力があるもの。耐切創だとなお良い)
食料・水の準備(現地調達不可)
姉吉・里とも売店なし。自販機すらありません。事前に持って行くか、宮古駅周辺のコンビニで調達するしかないので要注意。
筆者は出発前に、ゼリー状のエネルギー飲料を3つとお茶を購入しておきました。
スマホ・GPS対策


- YAMAPなどの登山アプリ(地図は事前DL)
- モバイルバッテリー
- 電波不安定を前提に行動
本州最東端・魹ヶ崎へ車なしで行くための2つの注意点


① 帰りの行程まで考える
ようやく魹ヶ崎に到着しても、旅としてはゴールではありません。ここからが 車なし往復の核心です。
実は行きに降りた姉吉バス停から宮古駅に行くバスは時間的になく、宮古駅に行く最寄りのバス停は、行きのバスルートで姉吉から約5km手前にある里(さと)バス停になります。
午後に出る里バス停発宮古駅行きのバスの本数は2本だけなので、1本遅れるだけで、当日中に宮古へ戻れなくなる可能性があります。
- 13:57
- 16:02(最終)
だからこそ 登山アプリで時間管理 を行い、ゴールから逆算して歩くようにしてください。



里バス停と魹ヶ崎の往復の場合、疲れもあり、5時間以上かかると思います。里バス停なら、宮古駅8:30発の次、11時発のバスでも行けますが、里12:02着で、16:02発の最終バスまでに戻るのは難しいです。
里へ向かうルートは2つ。
1)姉吉方面へ戻り、車道(重茂半島線)で里へ行く


絶景はないですが、安全度は高いです。
また、食料の現地調達はできない旨を前述しましたが、姉吉から里まで車道の重茂半島線を歩く場合は例外です。
姉吉キャンプ場から5kmほど歩くと、「宮古市重茂水産体験交流館えんやぁどっと」があります。
食堂や直売所があり、緊急時の保険にはなりますが、里バス停まで残り約1.4kmあるので、のんびり昼食休憩や買い物をしているとバスに遅れます。
16:02発のバスまで待つ、もしくはタクシーと鉄道でリカバリーすることも想定して立ち寄ってください。
なお、後述する本州最東端の到達証明書は、ここでも購入可能です。
2)海沿いに整備された登山道「みちのく潮風トレイル」を北へ歩いて里へ下山(筆者が利用)
自然と絶景を楽しめますが、難易度は高いです。



筆者は2の「みちのく潮風トレイルを北へ歩く」を選択しました。
もしも予定のバスを逃してしまったら
もしもバスを逃してしまうと、約2時間後の次のバスまで待つか、宮古駅にバスで直行できなくなります。
リカバリーしたい場合、津軽石駅周辺のタクシーを、里バス停や、待ち時間・経費削減目的で重茂出張所あたりに呼び、約10km先の津軽石駅に向かいましょう。
津軽石駅からは三陸鉄道で宮古駅に行けます。この区間だけなら、バスよりも早くて安いです。
また、駅から少し北にある津軽石口や川帳場(かわちょうば)バス停には、他からやってくる宮古駅行き方面のバスが通るので、バスの本数が増え、帰りやすくなります。
なお、里発宮古駅行きのバスは、津軽石駅手前の交差点を曲がるため、津軽石口は通らず、川帳場に停車します。
仮に筆者がこの策をとったら、タクシー内でグーグル検索をして乗換情報を確認し、鉄道に乗るか、バスに乗るかを決めると思います。
津軽石駅は車でのアクセスだと大回りになり、タクシー料金がかさみます。
バスに乗るなら、幹線道路沿いで停車スペースがある、川帳場バス停で停めてもらうのが良いと思います。
② 天候悪化で危険度アップ


雨の日は視界が悪くなり、足場が滑りやすくなります。特に崖沿いや下り坂の危険度が増すので、注意してください。
姉吉キャンプ場から魹ヶ崎に向かう、比較的安全な道であっても、滑落や落石に注意する看板があります。
魹ヶ崎から北の道では、さらに難易度が増します。アップダウンに加え、細い道で、片面は崖と言う場所が増えます。
雨でぬかるんでいると足を滑らせる恐れが高く、怪我をすると、予定していたバスに乗れず帰れない、それ以上に助けがこないということも。
雨が強い日は、勇気を出して「行かない」という決断も必要だと思います。


掴めるものがないので、体制を低くして進みます。


到達証明書は観光案内所などで購入する(現在は200円)
無事に宮古駅に戻ってきたら、宮古駅横にある、宮古駅前総合観光案内所にて到達証明書を購入しましょう。
特に4端制覇を目指す人は手に入れたいところ。証明書があると達成感が倍増します。
筆者も実際に購入しましたが、難易度が高い本州最東端を踏破した証明として最高でした。
宮古駅以外でも、前述のえんやあどっとのほか、宮古駅の東の海沿いにある道の駅「シートピアなあど」などで購入可能です。
後泊する人であれば、浄土ヶ浜パークホテルや宮古セントラルホテル熊安など、特定の宿泊先でも購入可能です。
車なしでも本州最東端へ行ける。でも準備は念入りに
最後に、車なしで行く際に最も大事なポイントをまとめます。
- 車なしで行けるが、帰りが最大の難所
- 行き=姉吉、帰り=里バス停 が絶対ルート
- みちのく潮風トレイルは “完全に登山” と考える
- 登山アプリでGPS管理が必要
- 食料・水は宮古駅出発までに必ず調達
筆者自身、今回は常に危険と隣合わせ、かつ時間制限もあるという難しい内容でしたが、とても達成感があり、有意義な旅でした。
あなたもぜひ、本州最東端の大自然と達成感を味わってみてください。









