
車なしで本州最北端・大間崎まで行けるの?
大間崎は「車がないと行けない」と思われがちですが、実は最寄駅からバス1本で行けます。
この記事では、大間崎までの移動に加え、移動の合間に、むつ市街地や恐山などにも寄って、最北端の旅をより楽しむためのプランをまとめています。
✅ 本記事の内容
- バス1本で大間崎に行くルートがわかる
- 乗り継ぎ・滞在・証明書購入で失敗しない“2つのコツ”
- 大間崎→むつ→恐山の1日観光プラン
✅ 本記事の信頼性
- 実際に車なしで下北駅→大間崎→むつ→恐山を往復した経験をもとに執筆
- 深夜バス・電車・徒歩旅を30回以上も経験
- 国内と総合の「旅行業務取扱管理者資格」と「世界遺産検定2級」を取得済み
本州最北端・大間崎の行き方① 車なしの全体ルート


大間崎へ車なしで行く方法は、とてもシンプル。
「下北駅 or むつバスターミナル → バス(佐井線)1本」
この一本道です。
とはいえ、下北半島は“広くて移動が難しい場所”でもあるため、まずは全体ルートを把握しておくと安心です。
下北駅・むつバスターミナル(むつBT)からの唯一ルート
大間崎へ向かう唯一の交通手段は、下北交通バス「佐井線」 です。ルートは次の通りです。
- JR下北駅
↓ - むつBT
↓ - 大間崎
下北駅を出発するバスは、むつBTを経由して、大間崎に向かいます。
ルート自体はシンプルですが、道中見える景色は決して単調ではありません。
所要時間
- 下北駅 → 大間崎:約1時間40分
- むつBT → 大間崎:約1時間25分
料金(※現金のみ)
- 下北駅 → 大間崎:2,030円
- むつBT → 大間崎:1,900円
この後紹介する、大間崎のまぐろ料理が人気の飲食店「大間んぞく」や、むつ市内にある牛バラ定食が名物の「しらかわ食堂」も 現金のみ です。
下北半島の旅は、現金が必須 と考えておきましょう。



長時間の移動になりますが、移動中には様々な見どころがあります。次に、その見どころを紹介します。
バスは“移動”ではなく“小さな観光コース”
行きは進行方向右側の席を取ると、きれいな海が見られるためおすすめ。
左側は街や林が続きますが、時折、下北らしい「大間原発の工事車両監視所」なども現れ、この地域特有の景観を垣間見ることができます。
大畑駅停車中のレア体験


下北駅からバスで約40分、むつBTから約30分ほど揺られると到着する大畑駅前バス停では、バスが 約5分停車します。その間一時降車可能です。
現在は下北交通の営業所ですが、かつて鉄道が走っていた名残がある場所で、旧ホーム・建物が残る遺構スポットのひとつ。
営業所裏の駅のホームのエリアまで、5分でサッと見に行ける距離なので、バスから降りて見に行ってみてください。
易国間海岸の絶景


大畑駅を出発して30分を超えたころ、易国間(いこっかん)あたりに入ると透明度の高い海と岩礁が広がります。
特に、草島の岩礁と、その上に立つ“夫婦松”は下北らしい景観で、車窓からでも鮮明に見えます。
行きのバスなら、進行方向右側に着席して、易国間郵便局前のバス停を通過したあたりから、車窓を注視してください。
下風呂温泉を通過(帰りに寄れる温泉郷)
行きでは通過しますが、帰りに「下風呂温泉」バス停で途中下車すれば、海辺の温泉地・下風呂温泉 でひと休みできます。
下風呂温泉にある「海峡の湯」は、津軽海峡を眺めながら名湯を楽しめる日帰り温泉です。
歴史ある硫黄泉「大湯」「新湯」を引き継ぎ、青森ヒバの香りが心地よい館内も魅力。
海の気配と素朴な温泉情緒が合わさった、癒しの時間を味わえるスポットです。
詳細は「帰り道の寄り道スポット」で紹介します。
本州最北端・大間崎の行き方② 車なしで失敗しない2つのポイント
公共交通で行く大間崎で大切なのは、「乗り継ぎ」と「現地滞在の順番」 の2つです。
この2つだけ押さえれば、旅の満足度は一気に上がります。
ポイント①:乗り継ぎ時間と場所の注意



日中のバスの運行間隔は、約1時間30分から最大4時間10分まで開きます。ダイヤは必ず確認してください
理由
- バス本数が少ないため 1本逃すと旅が崩れる
- 下北駅からの便は昼便が中心で、動きに制約が多い
曜日別のダイヤ違い
大間崎行きバスは、平日・土曜・日曜祝日で運行が違うことがあります。
- 平日・土曜:朝6:40便あり。大間崎の朝を満喫でき、動きやすい
- 日曜・祝日:始発が遅くなる
旅行前に必ず 下北交通の公式サイトで最新ダイヤを確認 してください。


下北駅から当日向かう場合
- 夏季臨時便を除き、11:15発 → 12:56着が始発。その後は、12:55発→14:31着、14:30発→16:06着。
- 帰りは平日・土曜なら大間崎16:18発 → 17:55着と17:58発→19:35着。
- 日曜・祝日なら下北駅行きは16:18発 → 17:55着が最終バス。17:03発のバスはむつBTまで。むつBTから下北駅までは徒歩かタクシー。



当日下北駅着なら、12:55発に乗る想定で、遅めに出るか、午前中にむつ市内を観光をしましょう。
むつBTから朝イチで向かう場合
- 6:40発 → 8:06大間崎着 → 9:58大間崎発



むつBTからは早朝便があります。朝の大間崎は美しく、観光客が少なく、証明書も買いやすいです。
前泊するなら
むつBT周辺はホテルが多いですが、むつBTまでの徒歩距離が短い「むつパークホテル」 が特におすすめです。
翌朝6:40の大間崎行きにすぐ乗れます。


むつBTの注意点
前泊してむつBTから乗車する場合は、バス停の場所に気を付けてください。可能なら、前日に場所を確認することをおすすめします。
- 2022年6月に移転
- Googleマップで検索すると 旧所在地が出ることが多い
- 現在のむつBTは、 Googleマップで「柳町バス停」 の場所
- 下北駅からは 約3kmの距離があり、徒歩はかなり大変。夜や荷物がある場合、タクシー利用が安全で確実。


ポイント②:現地滞在の段取り



大間崎での滞在時間は、行列考慮せず、食事・買い物含め約1時間30分程度。敷地が広くない分、人が密集するので、食事やお土産購入の時間も考え、行動の順番を決めておきましょう。
大間崎はコンパクトながら、
- 撮影
- 食事
- お土産・本州最北端到達証明書の購入
- 神社
など複数動線が重なるため、混雑に巻き込まれやすいです。
今回の滞在時間の使い方は以下のような形でした。昼食時間中は、待ち時間でさらに時間が必要なると思います。
- モニュメント撮影で10分
- 食事で30分(他に客がいなかったので、注文からは料理が来るまで10分かかっていない)
- 海沿いやレストハウスからの撮影で15分
- 弁天神社との往復・参拝で10分
- 買い物15分
最適ルート(8:06着の例)
- 撮影(最北端の碑・マグロ像)
- 魚喰いの大間んぞく(8:00〜)でまぐろ丼
- 混雑を見つつ、大間観光土産センター(9:00〜)でお土産・本州最北端到達証明書購入
- 混雑時や買い物後は、弁天神社やレストハウスへ


本州最北端・大間崎で何する?車なしでも楽しめる見どころ



大間崎は“最北端らしさ”を一気に味わえるスポットが詰まった場所です。
マグロ像


テレビでよく見ていたマグロ像をようやく見ることができました。やはり海沿いだけあって、風は強いです。
大間は「黒いダイヤ」と呼ばれる、本マグロ(クロマグロ)が水揚げされる場所として有名です。
マグロは様々な場所で獲れるものの、特に大間が面する津軽海峡は、日本海と太平洋を結ぶ海峡で、3つの海流が流れ込み、良質なプランクトンが豊富にあります。
加えて、一般的にははえ縄で行う漁を、ここでは昼間は一本釣り漁、夜ははえ縄漁で行っています。これによりマグロを傷つけず、釣り上げから加工・出荷までの時間を短くできます。
おいしくなる要素があり、かつ新鮮さを保てる仕組みがあることで、まさに「黒いダイヤ」と呼ばれる高級品になっています。
大間崎のマグロ像は、大間のマグロの中で過去最大の水揚げサイズである、440kgのマグロをモデルにしており、長さも3mあり、迫力があります。
サイズが大きいため、離れた距離から撮影する必要がありますが、人がいなかったので、人が映り込まずに撮影できました。
周辺には本州最北端の碑を始め、大間にかかわる歌や詩を出した石川啄木や天童よしみ、福田こうへいなどの歌碑があるので、歩いてみてください。
弁天島と大間埼灯台


和歌山の潮岬到達をきっかけに、本州4端を巡ることを決めて、ここが3端目。前泊とバスでようやく到達できました。
大間崎のマグロ像の先も舗装されていて、海岸まで出る手すりがあり、海岸まで出ることができます。
4端の中では唯一海の水に安全に触りに行ける場所で、ここが事実上の本州最北端です。
木々や大きな岩などの遮るものがないので、視界に入るのはほぼ海と空。
天気が良く、濃い青の海が一面に広がっています。人が少ない時間帯なので、風とウミネコの鳴き声を聞きながら景色を眺めるのは、とても気持ち良いです。
また、視線の先に北海道(函館方面)を見ることができました。
写真撮影にはもってこいの場所ですが、風が強いので、スマホやカメラはしっかりと持ってください。
先端から海を挟んで600m先に弁天島という島があり、そこに大間埼灯台があります。
日本の灯台50選にも選ばれた、白黒模様の灯台が、空と海の青に映えます。なお、この灯台は無人で、普段はアクセスできません。
まぐろ丼


朝8時から大間でまぐろを食べられるのは、調べたところだと、「魚喰いの大間んぞく」と「さつ丸商店」。今回は魚喰いの大間んぞくを選択。
理由は、自社ホームページがあり、店舗・メニュー情報が公開されていて、店舗として建物がグーグルマップからしっかり確認できたためです。
テレビで紹介されることもあり、ランチタイムは行列ができる人気の食堂です。
おすすめはもちろんマグロ。マグロの水揚げから加工まで、完全自社加工でされています。一方で、期間限定で食べられるウニも人気のよう。今回は予定通りマグロ丼にしました。
店内には、大漁旗や大間マグロのブランドシールが壁にずらりと貼られていました。
ただ、マグロ漁は7月頃から1月中旬にかけて行われるので、この時期だとストックされた冷凍マグロになると思います。
ホームページによれば、「手間暇かけ丁寧に処理し、マイナス60度で急速冷凍する事により年中変わらぬ絶品のマグロを味わう事ができる」とのこと。
それでも、厚く切られたマグロのとろける触感と脂がおいしかったです。できれば旬の時期に再度行きたいですね。
値段は4,000円ほどですが、東京ではこの値段では食べられないので、後悔しないよう、是非食べてください。
なお、決済は現金のみだったで、多めに現金を持って行ってください。
弁天神社


大間崎バス停から徒歩2分程度のところにある、本州最北端の神社です(厳密には、先ほど言及した弁天島に本殿があります)。
静かな海風を感じられる小さな社です。社殿は扉が閉まっていて、御賽銭も出せなかったので、鈴を鳴らして風を感じられる小さな社です。御朱印はありません。
社殿は扉が閉まっていて、御賽銭も出せなかったので、鈴を鳴らして参拝しました。鈴緒には海上安全や大漁満足の文字。
本州最北端・大間崎からの帰り道|車なしで行ける寄り道スポット
前泊ルートの場合、9:58発のバスで大間崎を出ると、むつBTには 11:25着。
ちょうど飲食店や観光施設が開き始めるベストな時間帯で、ここからむつ市内の楽しみ方が一気に広がります。
また、むつ市内に戻る前に下風呂温泉で途中下車してひと風呂浴びるという贅沢な選択も可能です。
下風呂温泉で途中下車(温泉でリフレッシュ)
- 室町時代から続く硫黄泉
- 2つの泉質の温泉が楽しめる「海峡の湯」が人気
- 青森ヒバが多く使われ、良い香りが広がり、窓からは津軽海峡を望むことができる浴場
- 大間崎→むつの間にあり、ルート的にも自然で、次のバスまでの時間までに楽しめます
- 大間崎9:58発のバスに乗ると、下風呂温泉 10:27着→ 12:37発→むつBT13:35着で、後述する恐山にも、時間的に向かうことが可能です
- 下北駅当日ルートの場合は、前述の通り、曜日によって下北駅する直行バスがないので注意。



地元食材を使った食堂もあるので、昼食を兼ねるのもありです(火曜定休)。
むつBT周辺の観光スポット





むつBT周辺は、徒歩圏で回れる施設が豊富で、車なしトラベラーに優しいエリアです。
- むつ来さまい館(観光案内・祭り展示・イベントスペース)
- 下北ジオパークビジターセンター(触れる岩石展示・資料)
- まさかりプラザ(物産)
恐山方面のバスは「まさかりプラザ前」が最寄りです。効率よく巡ることができ、知見も深まるスポットです。
御朱印スポット





御朱印スポットが固まっていて、むつBTから徒歩で回れます。
恐山方面のバスなら、「むつBT」か「本町」が最寄りです。
- 田名部神社(下北半島総鎮守)
- 常念寺(国重文の仏像)
- 円通寺(恐山菩提寺)
- 大覚院熊野神社(山伏が熊野で修行し、霊験を体得したのち勧請)
しらかわ食堂





むつ市内の人気店です。朝まぐろ丼を食べた後の腹具合と相談して訪れましょう。恐山方面のバスなら、「本町」が最寄りです。
この後の行程を踏まえ、11時台から開いている、むつBT周辺の評判の良い店を検索した際にヒット。
青森グルメを考えたときに、B-1グランプリで知った十和田バラ焼きを思い出し、この機会に食べてみたくなりました。
11時オープンで、昼前から地元民や自家用車の観光客でいっぱいになりました。
名物「牛バラ定食」は甘辛く濃い味付けで、ご飯が進みます。
ただ、朝にマグロ丼を食べてしまっていて、その前まで神社仏閣巡りで歩いても、すぐにはお腹は減らず、少々きつかったです。
また、決済方法は現金のみなので、ご注意ください。
本州最北端・大間崎から車なしで行ける恐山へのアクセス


大間崎から戻った後に行ける有名スポットが 恐山(おそれざん)。
下北半島全体の旅が一気に“深い旅”へ変わる場所です。
恐山行きバスルート



恐山行きのバスは街中を回ってから向かいます。最終便を除き、途中のバス停で乗り降りができます。
当日下北駅着なら
- 行きは下北駅 9:10発 → 恐山 9:53着
- 帰りは恐山 10:55発 → 下北駅 11:30着
- 帰りは途中のまさかりプラザ前(11:20着)や本町(11:22着)で降りて、市街地観光や昼食を楽しむのが最適
- 途中で降りる場合、むつBT発13:05発(下北駅12:55発)のバスで大間崎へ
むつBT周辺で前泊したなら
- 本町 14:14発 → むつBT14:20発 → まさかりプラザ前 14:21発 → 恐山14:53着
- 帰りは恐山 15:55発 または 17:30発
※ 17:30発は 下北駅直行(むつBTなどは経由しない)
恐山冷水


恐山行きのバスでの移動中、運転手の判断で停車することがある、湧き水があるスポットです。
恐山参拝者の喉を潤してきて、1杯飲むと10年、2杯飲むと20年、3杯飲むと死ぬまで若返ると伝えられています。
触るととても冷たく、飲むとスッキリとおいしい水で、暑さも和らぎます。
柄杓は置いてありますが、持ち帰るためにも、空ボトルや水筒を持っていればなと思いました。
恐山菩提寺の主な見どころ


バス停を降りると、目の前に大きな山門が見えます。手前の受付で参拝料を支払いくぐりぬけると、奥に地蔵堂や湯小屋(当時は工事中)があります。


そして地蔵殿を左に曲がると、そこには火山岩で形成され、火山性のガスが噴出し、硫黄のにおいがする、まさに地獄のような場所が広がっています。
参拝者はそれなりにいますが、皆さんとても静かに参拝をしており、他の寺院とは違う空気感があります。


そして、周囲には至る所に石積みが見られます。賽の河原の説話に基づくもので、参拝者が供養などのために、石を積み上げていったものです。
恐山はあの世に近い場所として、多くの方々が祈りを捧げにきたのがわかります。ここでしか見られない特別な場所です。


恐山菩提寺の本尊である延命地蔵尊の周辺にも、石や像が積みあがっています。多くの参拝者が延命を祈りにきているようです。


地獄を抜けると、宇曽利湖畔、極楽浜に着きます。カルデラ湖で、強酸性のある水なので、ほとんど生き物はおらず、きれいな青が広がっています。
浜には、供養の花の代わり、輪廻転生などの意味を込めて、奉納された風車が。波や風の音に交じって、カラカラと回る風車の音がとても心地よいです。


見どころはまだまだありますが、三途の川にかかる「太鼓橋」だけは、山門の外に出て、500mほど歩く必要があるので注意。
最終バス含め、帰りのバスは太鼓橋前と言うバス停から乗車可能なので、最後に向かうのが良いかもしれません。
滞在時間の目安と開山情報
すべてのスポットを丁寧に回ろうとすると、1時間30分~2時間程度必要です。
- さらに重要なのが、
恐山の開山期間は “5月〜10月” のみ。バス運行もこの期間に限られます。



大間崎とセットで訪れたい場合、季節を必ず確認してください。
本州最北端・大間崎に車なしで旅行にいこう!
大間崎は“車がないと行きにくい場所”に見えて、実際は公共交通だけで十分アクセスできます。
むつ市周辺には、行くべきスポットが多く、1日楽しむことができました。
市内か大間崎のどちらを先に楽しむか、乗り継ぎと段取りを押さえて、心に残る“最北端の旅”を楽しんでください。







